今回は、世界的ベストセラー、モーパッサン著の「女の一生」の紹介です。


前半では「女の一生」のあらすじを「動画解説」とともに掲載しております。後半は「読書感想文」の例文を紹介しています。

「女の一生」あらすじ【ネタバレ動画】

以下の動画は「ネタバレ」ですので、結末などを知りたくない方はご注意ください。

動画が見れる状態で、内容を「活字で確認できる」ように「スクロールできるテキスト原稿」を動画の下に掲載しています。 👍goo!


■「女の一生」は、主人公のジャンヌが修道院から出てきたところからスタートします。

世間知らずの男爵の一人娘ジャンヌは、結婚持参金を狙って、すり寄ってきた男ジュリアンに簡単に恋に落ちます。

けれど、ジュリアンは結婚したら、人が変わったようにケチで心が狭く、女好きな面を見せ始め、ジャンヌは結婚当初から傷つき続けます。

痛みと失望の結婚初夜。心の狭い夫の素行に耐える。新婚旅行を終えた夫は、急に粗野で粗暴になり、ジャンヌや家族を失望させます。

ある日、夫のジュリアンが、メイドのロザリーを慰み者にして、子供を産ませたことがわかり、ロザリーをよそに嫁がせ、ジャンヌは離婚を望みます。

けれど、周囲に丸め込まれ、穏やかな人柄ゆえに、ジャンヌもジャンヌの家族も、夫のジュリアンをどうにもできず、現状を変えられません。

やがて生まれた息子のポーレに、ひたすらに愛情を注ぎ続けるジャンヌ。夫婦の仲は早々に冷めたため、夫は外の女に愛を求めに行き、ジャンルは再び子供を見守るために嫌々夫にするよって行きます。

しかし、夫のジュリアンは不倫相手の女性の夫に殺されてしまい、そのショックでジャンルは流産。もはやジャンヌに残された人生の楽しみは、一人息子ポーレの成長だけ。

しかし、ポーレはわがままに育ち、社会に出始めた途端に、賭け事とお酒で身を崩します。ポーレが背負った多額の借金の支払いのために、家も土地も、全ての財産を失うジャンヌ。

母の夫も父も祖母も死に、残された息子のポーレは多額の借金を残して消息不明。絶望したジャンヌを救ったのは、以前夫に慰み者にされていたメイドのロザリーでした。

ジャンヌ一家の計らいで嫁に出されたロザリーは、幸せな日々を過ごしており、その恩に報いるために全てを失ったジャンヌを助けてくれます。ロザリーの助けを得て、息子のポーレを探しに行くジャンヌ。

なぜ、こうも人生が悪い方へと転がり続けるのか。絶望の連続で老婆のように老いてしまったジャンヌが、再び生きる希望を見出し、喜ぶ様子を見て、メイドのロザリーは言います。

「人生って人が言うほど良いものでも悪いものでもないですね」と。

物語はその台詞で唐突に終わります。

乞食同然に落ちぶれた主人公が、まさかラストで希望を見出して立ち上がるとは・・・。人生は本当に良いものでも悪いものでもないなとラストに感動が待っていました。

この話の一番心に残ったのは、ジャンヌの不幸に対して、ロザリーが言った「亭主が悪かったた。だそれだけのこと」という言葉です。

「女の一生」は、19世紀後半のフランスの作品ですが、現代日本でも亭主運が悪いと、ジャンヌと同じような一生を送るはめになりかねないと思いました。

また、ジャンヌの祖母のリゾンという薄幸の女性も、無視できない存在感でした。ジャンヌの不幸が亭主によるものだったというのに対し、リゾンの不幸は、男から一度も求められたことがないことにありました。

影のようにジャンヌ一家に寄り添い暮らし、何も起こらない人生のリゾンでしたが、若く結婚前のジャンヌを羨んで泣くシーンがあります。

しかし、ジャンヌが、夫や息子に振り回され続け、人生が破滅しかかったのを見て、リゾンは「哀れなジャンヌ。神様にお前の幸福を願いに行くからね」と、ジャンヌを哀れんで亡くなります。

男に求められない人生か、男で失敗する人生か、どちらが幸福なのかを考えさせられるシーンです。

作者のモーパッサンは、19世紀フランスの小説家で「脂肪の塊」「女の一生」など、スキャンダラスな小説の内容で脚光を浴びましたが、真髄にある「自然主義文学」の価値を認められ、世界中で有名な作家に登り詰めました。

 

42歳という若さで亡くなり、執筆期間はわずか10年ですが、読み応えのある作品が多く今でも面白く読めます。

モーパッサンが、エッフェル塔が嫌いだから視野に入れないために、あえてエッフェル塔のカフェによく出かけたという逸話は、実は裏の取れていない噂話に過ぎません。

「女の一生」読書感想文の例文

 
 
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