
こちらでは、2025年度の第71回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書全18冊を紹介しております。
用紙・字数
◇原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰めに規定はありません。
◇文字数については下記のとおりです。
・小学校低学年の部(1、2年生)本文 800字以内
・小学校中学年の部(3、4年生)本文1,200字以内
・小学校高学年の部(5、6年生)本文1,200字以内
・中学校の部 本文2,000字以内
・高等学校の部 本文2,000字以内
◇句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
◇題名、学校名、氏名は字数に数えません。
その他、詳しい応募要項は公式ページでご確認をお願いいたします。
応募要項
以下、18冊の課題図書の内容をご紹介いたします。
2025小学校低学年用 課題図書4冊



『ライオンのくにのネズミ』
さかとく み雪 (著)
定価 : 1,760円
出版社 : 中央公論新社
大型本 : 32ページ
【内容】【書店員が選ぶ絵本新人賞2024大賞作品】
父親の転勤でライオンのくにに引っ越したねずみの家族。ライオンが怖くて仕方がない子ねずみだったが、あることをきっかけにライオンと対決することに。使う言葉も習慣も体の大きさも違う彼らはわかりあうことができるのか?「優しさと勇気」についての絵本としても、「国際理解教育」の教材としても読める、幅広い層に届けたい1冊。




『ぼくのねこポー』
岩瀬成子 作 松成真理子 絵
PHP研究所
1,430円
80ページ
【内容】放課後クラブが終わった学校からの帰り道。白い家の近くでねこを見つけた。つれて帰りたいなと思ったけれど、お母さんは「だめ」っていうかもしれない。
そのとき、ぽつっとぼくの首に雨があたった。雨がふりだしたら、ねこがびしょぬれになってしまうと思って、家につれて帰った。お母さんは「すてねこなら飼ってもいいけど」といって、ねこに心当たりがないか白い家の近くにたずねにいった。でも、誰もねこのことは知らなかった。ぼくは、ねこに「ポー」という名前をつけた。
ぼくのクラスに森あつしくんという子が転校してきた。森くんと仲良くなって話していると、「家族は両親と妹と、それからねこ」といった。そして森くんは、「だけど、ねこがね、いなくなっちゃったんだよ」とつらそうな顔をした。ぼくはなんだかむねが急にドキドキしはじめた。「しんぱいだね」といったけど、どんなねこ? とは聞かなかった。どんなねこか、知りたくなかった……。
少年の心の機微を丁寧な筆致で描いた幼年童話です。




『ともだち』
リンダ・サラ 作 ベンジ・デイヴィス 絵 しらいすみこ 訳
ひさかたチャイルド
1,760円
32ページ
【内容】様々な出会いがある子どもたちに手渡したい友達を受け入れるまでの心温まる物語
ぼくとエトはとっても仲良し。いつも丘の上に段ボール箱を運んで遊んでいた。
あるとき、シューがやってきていっしょに遊びたいと言った。
エトはシューと仲良くする。
ぼくは仲間外れになった気がして、2人から離れていった。
「もう丘になんか行くもんか」そう思っていたある日、エトとシューがぼくを呼びにきた。
「君に、いいもの作ったんだ」それは、巨大な段ボールの車!
2人の遊びに加わるぼく。
3人の新しい関係が始まる。
担当編集者より
大好きな友達がとられてしまったような気持ち。皆、一度は味わったことがある感情なのではないでしょうか。特段の解決策があるわけじゃない。いっしょに遊ぶことでしぜんと仲良くなっているというのが、この作品の魅力です。




『ワレワレはアマガエル』
松橋利光 文・写真
アリス館
1,870円
56ページ
【内容】カエルと聞いて思いうかぶのは?ぴょこんと目が出て、緑色のーーそう、ワレワレ、アマガエルだろう!体のしくみや、産卵からおたまじゃくし、冬眠までを、アマガエルたちの自己紹介で、楽しく見せます。
2025小学校 中学年用課題図書4冊



『ふみきりペンギン』
おくはらゆめ 作・絵
あかね書房
1,430円
111ページ
【内容】小学3年生のゆうとは、ふみきりでペンギンの話を聞く。るりは、白いヘビのうわさを確かめたい。ななこは、鏡のなかのライオンと会う。そうすけは、天気占いをするフクロウが見える。「ふつうってなんだろう?」という不安な気持ちにたいして、決めつけず、気にせず、それぞれの子どもたちの自分らしさを肯定する。おくはらゆめの作絵による、やさしい物語。版元を超えて活動する「らいおんbooks」編集による読み物作品の第二弾。




『バラクラバ・ボーイ』
ジェニー・ロブソン 作 もりうちすみこ 訳 黒須高嶺 絵
文研出版
1,540円
112ページ
【内容】バラクラバ帽をかぶった転入生のトミーがやってきた。
なぜトミーは帽子をかぶってるの? あの帽子の下には何がかくされている?
ぼくとドゥミサニのたいくつな日々は、「バラクラバ・ボーイ」によって大きく変わったんだ。




『たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害』
キム・ファン 文 チョン・ジンギョン 絵
童心社
1,980円
33ページ
【内容】気候変動による地球の温暖化は、まったなしの大問題です。2021年のノーベル物理学賞に選ばれた眞鍋淑郎さんの「気候モデル」により、CO2濃度が2倍になると地球の温度が約2度あがることが、世界で初めて計算で明らかになったのです。この絵本では、もし地球の気温が2℃あがったら、私たち人間もふくめて地球上のすべての生きものに大きな影響があることを、子どもたちにも直感的にわかるような構成と絵によって伝えます。




『ねえねえ、なに見てる?』
ビクター・ベルモント 絵と文 金原瑞人 訳
河出書房新社
1,793円
40ページ
【内容】同じ場にいても、見ているもの、その見え方は全く違う。食卓を囲む家族の異なる世界を鮮やかに描く、多様性と共感について知る絵本。
2025小学校 高学年用課題図書4冊



『ぼくの色、見つけた!』
志津栄子 作 末山りん 絵
講談社
1,650円
224ページ
【内容】第24回ちゅうでん児童文学賞で大賞をとった志津栄子の最新作!
トマトを区別できない、肉が焼けたタイミングがわからないことから、色覚障がいが発覚し苦しむ信太朗。母親は悪気なく「かわいそう」といい、試すようなことをしてくるし、症状を知らないクラスメイトから似顔絵のくちびるを茶色に塗ったことを馬鹿にされ、すっかり自信を失ってしまう。眼科の先生は個性のひとつと言ってくれるけれど、まわりがそうはとらえてくれないし…。
学年が上がり、クラス担任が変わり自分自身に向き合ってくれたことで、信太朗は自分の目へのとらえ方がすこしずつ変わっていくことに気が付く。




『森に帰らなかったカラス』
ジーン・ウィリス 作 山﨑美紀 訳
徳間書店
1,760円
304ページ
【内容】1957年、ロンドン郊外の町。
11歳の少年ミックは、ある日、
近所の森で、ケガをした鳥のヒナを
見つけ、家に持ち帰る。
ニシコクマルガラスのそのヒナを、
ミックは両親とともに手当てし、
「ジャック」と名付ける。
ミックの家は駅の目の前にあり、
両親がパブを営んでいる。
ジャックはミックになつき、
一度は森に帰そうとしたものの、
パブにいついてしまう。
パブをちらかして、ミックの母さんや、
パブの従業員に嫌な顔をされたりするものの、
常連客をはじめ、
みんなに愛されるようになっていった。
ジャックが電車に乗ってしまい、
隣の町まで運ばれてしまったり、
よそのおばあさんに連れていかれてしまったり…。
そうしたちょっとした事件がおこるたびに、
ミックや近所の子どもたち、
パブの常連客たち皆が、ジャックを捜索し、
帰ってくるたびに安堵するのだった。
ところが、ある日…?
少年と動物とのふれあいを、父親の兵士時代の心の傷をまじえつつ描く。
ロンドン動物園の元主任飼育員の少年時代の実話をもとにした、心あたたまる児童文学。




『マナティーがいた夏』
エヴァン・グリフィス 作 多賀谷正子 訳
ほるぷ出版
1,760円
360ページ
【内容】11歳の夏休み、ピーターの目標は「生き物発見ノート」を親友のトミーと完成させること。マナティーの話をしてくれた、認知症のおじいちゃんのお世話も完璧にしてみせる。
ところが、夏休みは思い通りにはいかない。せっかく発見したマナティーはけがをする。おじいちゃんの認知症は進んでいる。そのうえ、トミーが引っ越すことがわかり……
自然、家族、友だち…自分をとりまく問題が大きすぎたとき、どう立ち向かえばいい? 変化に向き合う勇気をくれる、ひと夏の成長物語。




『とびたて!みんなのドラゴン:難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険』
オザワ部長 著
岩崎書店
1,650円
176ページ
【内容】難病ALSと闘う先生が合唱部の顧問になった。合唱は未経験。大丈夫?でも熱意と子どもたちとの絆で初の全国大会出場金賞受賞に導いた!実話をもとに描く感動の物語。
2025中学校用 課題図書3冊



『わたしは食べるのが下手』
天川栄人 作
小峰書店
1,760円
254ページ
【内容】少食で食べるのが遅い葵は、食事の時間が苦手。とくに給食は……。「小林さんさ、たぶん君、会食恐怖症だわ」。無理に油淋鶏を飲みこんで気持ちが悪くなった葵は、保健室でクラスの問題児、咲子にそう言われる。実は咲子も、食にかかわるある悩みを抱えていた。咲子の勢いに押されて給食ボイコットを企てるも不発に終わるが、新任のイケメン栄養教諭・橘川に焚きつけられて、給食改革に乗り出すことに……。「変えたいと思うなら、変えればいいんですよ」。ムスリムの教えで食べられないものがあるラマワティや、給食が大好きな浩平たちとのかかわりを通して、葵と咲子の食との向き合い方は少しずつ変化していく。わたしたちが望む給食って、いったいどんなだろう?




『スラムに水は流れない』
ヴァルシャ・バジャージ 著 村上利佳 訳
あすなろ書房
1,760円
240ページ
【内容】そもそもの問題は、水がたりないことだった。インド有数の大都会ムンバイ。12歳のミンニと15歳の兄サンジャイが暮らすスラムには、ムンバイの人口の40パーセントが住んでいるにも関わらず、水は市全体の5 パーセントしか供給されていない。水不足がきびしくなる三月のある夜、サンジャイが「水マフィア」を目撃してしまい……。家族の絆、友情、そしてインドの「今」を描く、勇気と成長の物語。




『鳥居きみ子:家族とフィールドワークを進めた人類学者』
竹内紘子 著
くもん出版
1,540円
184ページ
【内容】鳥居きみ子の夫は、「知の巨人」ともいわれ、明治から昭和時代にかけて活躍した人類学者、鳥居龍蔵です。彼の生涯や研究業績を紹介した本はたくさんありますが、きみ子のことはこれまで紹介されたことがほとんどありません。じつは、「家族とともに調査・研究する」という形で、女性の活躍が厳しい時代を生き抜いた先駆的な研究者なのです。人類学のなかでも、昔から伝わる生活・風習・伝説・歌などを調べる民族学を切り開きました。その生涯をはじめて伝える一冊です。
2025高校用 課題図書3冊



『銀河の図書室』
名取佐和子 著
実業之日本社
1,870円
【内容】「ほんとうの幸い」って、何だろう?
瑞々しく、愛おしく、胸に響く傑作青春小説!
県立野亜高校の図書室で活動する「イーハトー部」は、宮沢賢治を研究する弱小同好会だ。部長だった風見先輩は、なぜ突然学校から消えてしまったのか。高校生たちは、賢治が残した言葉や詩、そして未完の傑作『銀河鉄道の夜』をひもときながら、先輩の謎を追い、やがてそれぞれの「ほんとう」と直面する。今を生きる高校生たちの青春と、宮沢賢治の言葉が深く共鳴する感動長編。




『夜の日記』
ヴィーラ・ヒラナンダニ 著 山田 文 訳 金原瑞人 選
作品社
2,420円
【内容】ニューベリー賞オナー賞受賞作!
イギリスからの独立とともに、ふたつに分かれてしまった祖国。ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。少女とその家族は安全を求めて、長い旅に出た。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。




『「コーダ」のぼくが見る世界:聴こえない親のもとに生まれて』
五十嵐 大 著
紀伊國屋書店
1,760円
【内容】【もし、親の耳が聴こえたら――なんて、想像もつかなかった。】
ときに手話を母語とし、ときにヤングケアラーとみなされて、コーダは、ろう者とも聴者(ちょうしゃ)とも違うアイデンティティをもち、複雑な心を抱えて揺れ動く。
日々の通訳、聴こえない親とのコミュニケーション、母語としての手話、手話歌や「感動ポルノ」との付き合い方、マイノリティとして生きること。作家である著者が、幼少期の葛藤や自身のなかにある偏見と向き合いながら、コーダの目で見た世界を綴る。
2024年9月公開映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」原作者の最新エッセイ集。
過去の課題図書や入賞作品紹介
以下のリンク先に「これまでの課題図書の一覧」と「過去の入選作品の紹介ページ」がまとめられています。学校では読書感想文の書き方は詳しく教えてもらえないことが多いので、過去の入選作品を読み、書き方の参考にするとよいでしょう。>>過去の課題図書と入賞作品の一覧ページ
