1. 読書感想文の目的とは
読書感想文とは、読んだ本の内容や、自分が読んで感じたことを文章にまとめることです。中学生になると、読書感想文を書く機会が増えてきます。これは、読書を通じて自分の考えをまとめ、表現力や文章力を向上させるためです。そのため、読書感想文を書く際は、そのような教育的成果を得られたことが感想文を読む人に伝わる内容にすることが重要になります。特に本の内容から、どのようなことを感じ、また、どのような発見や成長が得られたかを伝える内容にすることが大切です。
つまり、中学生が読書感想文を書く際は、次の3点を意識して書くことが大切です。
①目的意識=教育的成果を伝える目的
本を読んで、どのような発見や反省、改善点を得たか、またこれからの生活で意識しようとしたことを伝える目的で感想文を書く。
②構成力=順序だて
本を読んで感じたことや考えたことを読み手に分かりやすい順序だてで伝える。
③表現力
その本の中で印象に残った点を取り上げ、思い出や身近な出来事などを取り上げながら感じたこと考えたことを伝える。
2. 読書感想文の構成
読書感想文を書く際には、以下の構成を意識して書くことが大切です。2-1. タイトル
読書感想文を書く際、タイトルは非常に重要な要素です。タイトルは、読書感想文のテーマや内容を端的に表現することで、読み手の興味を引きます。今回の記事では、読書感想文のタイトルについての考え方と、参考になる例をご紹介します。タイトルの考え方
- 短く分かりやすく: タイトルは短く、分かりやすいものが理想です。一目で内容が伝わるように工夫しましょう。
- キャッチーさを意識する: 読み手の興味を引くような、キャッチーな表現を用いると、読書感想文全体の印象が良くなります。
- 自分の感想や学びを表現する: 読書感想文のタイトルには、自分が感じたことや学んだことを表現しましょう。これがタイトルの主要な目的です。
以下に、読書感想文のタイトルの参考例をいくつかご紹介します。
- 「夜のピクニック」で見つけた友情と冒険
- 「こころ」を通して学んだ人間の心の葛藤
- 「ノルウェイの森」から感じた孤独と希望
- 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と人間の存在
- 「吾輩は猫である」- 人間社会を猫目線で捉える
- 内容やストーリーの要約
- 感想や思考の要約
- テーマやキーワードの抽出
- 意義や教訓の表現
- 独自のアプローチや視点の表現
読書感想文のタイトルは、短く分かりやすく、自分の感想や学びを表現することが大切です。また、キャッチーな表現を用いることで、読み手の興味を引くことができます。参考例を活用しながら、自分自身の読書感想文のタイトルを考えてみてください。読書感想文全体の印象を良くするために、タイトルにも工夫を凝らしましょう。
「〇〇が教えてくれた大切なこと」や、「〇〇の世界で見つけた自分」など、自分の感想や学んだことを表現することがポイントです。
タイトルのつけ方は、感想文を読む人に関心を持たせる重要な要素ですので、分野別に事例を紹介した特別ページを作りましたので、参考にしてください。
⇒読書感想文のタイトルのつけ方【テーマ別80例文】
2-2. 序文(書き出し)
序文(書き出し)では、自分がその本を読むきっかけや興味を持った理由を簡潔に書きます。例えば、「この夏休みに読んだ本は、〇〇さんの『△△』です。この本は◇◇の分野の世界的ベストセラーであり、しかも、この本によって人生が変わったという人も多くいる本だと知り、この本を読んでみることにしました」といった形です。書き出しはそのあとの文章を読ませる導入部分であり、感想文を書く際に最も工夫を必要とする重要な部分です。
序文の書き方に特化し、きめ細かいアドバイスを例文とともにされているサイトも存在するほどです。書き出し部分については、特に以下のサイト(外部サイト)を参考にすすることをおすすめいたします。
⇒読書感想文の書き出し例【中学生・高校生】入賞21パターン
2-3. 本文
本文では、以下の2点について書きます。- 本の内容の要約(長く書きすぎないことが重要)
- 自分の感想や学び
次に、自分の感想や学びを述べます。この部分が読書感想文の主要な部分ですので、以下のポイントに注意して書きましょう。
- 感情や感想を身近な出来事や過去の思い出と絡めながら具体的に述べる
- 登場人物やストーリーに対する共感や反感を書く
- 読んだことで学んだことや気づいたことを明確にする
また、自分が学んだことや気づいた点も、具体的に述べることが大切です。本を通じて自分の考え方や価値観が変わったり、新たな視点を持つことができたなら、それを明確に表現しましょう。例えば、「この本を読んで、自分も○○のように努力し続けることの大切さを学びました」といった形で、自分の成長や変化をアピールできます。
2-4. まとめ
最後に、読書感想文のまとめを書きます。ここでは、自分が感じたことや学んだことを簡潔にまとめ、改めてその本を読んだ意義や価値を表現しましょう。本を読んで、どのような発見や反省、改善点を得たか、これからの生活で意識しようとしたことなどの「まとめ」の部分になります。また、その本を他の人におすすめする理由や、今後の抱負などを述べるのもよいでしょう。そのような内容を加えることで、その本の影響力を効果的に伝えることができます。
3. 感想文を書く際のポイント
読書感想文を書く際には、以下のポイントを意識して書くことが大切です。- 目的意識をもって書く
- 文章の構成を整える
- 自分の言葉で書く
- 具体的なエピソードや感想を述べる
- 他者との意見交換や議論を意識する
4. 具体的な例を用いた解説
ここでは、具体的な例を用いて、読書感想文の書き方を解説します。例題: 「銀河鉄道の夜」の読書感想文
「銀河鉄道の夜」で見つけた友情と命の大切さ序文: 今回読んだ本は、宮沢賢治さんの「銀河鉄道の夜」です。学校の図書室で見つけて、宮沢賢治さんの作品に興味を持ったため読むことにしました。
本文: 「銀河鉄道の夜」は、ジョバンニとカムパネルラという二人の少年が、銀河鉄道に乗って冒険する物語です。彼らは、銀河鉄道を通じてさまざまな星を訪れ、そこで出会った人々との交流を通して、友情や命の大切さを学んでいきます。
この物語で私が特に印象に残ったのは、鳥取砂丘のシーンです。ジョバンニがカムパネルラと共に、砂丘で出会った一羽のカモメと共に空を飛びながら、自分たちの命や友情を見つめ直す場面があります。カモメが自分たちの命を捨てて、仲間を助けることに尽力する姿に、私は涙が止まらなくなりました。このシーンを通じて、命を大切にすることの重要性や、友達のために努力することの素晴らしさを学びました。
また、銀河鉄道の旅を通じて、ジョバンニとカムパネルラがお互いの友情を深めていく様子も心に残りました。二人は時には言い争いもしながら、互いの違いを受け入れ、支え合っていく姿が描かれています。私も友達との関係で悩むことがありますが、この物語を読んで、友情には時間や努力が必要だと気づかされました。
まとめ: 「銀河鉄道の夜」を読んで、友情や命の大切さを改めて感じることができました。
また、物語の中でジョバンニとカムパネルラが経験する冒険を通して、自分自身も友情や命の価値を見つめ直すことができました。この物語は、友達との関係や人生の大切さを考えさせられる作品であるため、多くの人におすすめしたいと思います。また、私自身も今後は友達や家族との時間を大切にし、互いを支え合う存在でありたいと感じました。
5. 最後に
中学生の読書感想文の書き方について、構成やポイント、具体的な例を紹介しました。読書感想文を書くことは、自分の考えをまとめるだけでなく、文章力や表現力を磨くことにも繋がります。また、他者と意見を共有し、議論を深めるスキルも身に付けることができます。このサイトでは「世界の名作」に対する「読書感想文」や「あらすじ」を掲載したページがたくさんありますので参考にしてください。
⇒「世界の名作」あらすじ&読書感想文 一覧
これから読書感想文を書く中学生の皆さんが、本記事の内容を参考に、自分の感想や考えをしっかりと文章にまとめられることを願っています。読書を通じて、新たな発見や成長がありますように!